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藤の屋文具店

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自動車マニア実践講座 16~20

【自動車マニア実践講座】

             ガソリン


 くるまはガソリンで走るのでぇーす、というCMがむかしあ
りました。自動車を動かす力は、ガソリンを燃やすことで発生
しているわけです。もちろん、コンロで燃やしてクルマが動く
わけではないですから、ただ燃えればよいというわけではあり
ません。
 ガソリンには、ハイオクタンとレギュラーがありますが、燃
やした時にたくさん熱が出るのは、意外にもレギュラーのほう
です。馬力の出るのはハイオクのほうですから、コンロとエン
ジンでは、燃料に求められる性能が違うということになります
ね。ここらへんが良くわからない人はたいへん多く、一昔前、
三本某という評論家は、権威ある自動車雑誌の巻頭コラムで、
レギュラーが野菜ならハイオクはお肉みたいなもんで、クルマ
はもりもりちからを出せる、みたいなことを書いて、読者から
嘲笑されたことがあるくらい、間違えやすいことです。プロが
知らぬのは恥ですが、アマチュアのあなたは、知っていること
を誇りに思ってよいでしょう。

 さて、なぜ、高性能エンジンはハイオクガソリンを使うので
しょうか。最初のほうでエンジンについて考えたことを思い出
してください。圧縮比を上げれば馬力は大きくなる、という原
理がありましたが、異常燃焼が起きるために無制限には上げら
れませんでしたね。その限界が、ハイオクのほうが少し上なの
です。
 したがって、ハイオクガソリンだけを考えて設計したエンジ
ンは、馬力をたくさん出す構造を採用できるので、ぼんやりと
考えている人は、「ハイオクを入れると馬力が出る」というふ
うに信仰してしまうのです。これは、「バスケットボールをす
れば背が高くなる」というのと同じ原理の勘違いですね。私立
高校のチームは、勝って宣伝するために背の高くて有利な生徒
をスカウトしてくるだけで、バスケットゲームの修練によって
成長ホルモンが分泌されるわけではありません。
 ただ、普通のエンジンにハイオクを入れても、馬力が少し上
がることはあります。何故かというと、急加速や登坂などの過
酷な状況では、異常燃焼による馬力低下が、じつはそーっと起
こっているのですね。ハイオクは、それを解消してくれるわけ
です。

 ガソリンは原油から作るということは、たいていの人が知っ
ていますね、でも、それは正確な表現ではありません。原油を
加工して造るというより、原油の中に含まれているものを取り
出して使う、そういった表現のほうが正解です。どういうこと
かというと、原油からガソリンを自由自在に造れるわけではな
くて、重油や軽油や灯油やナフサやアスファルト等と一緒に、
一定の割合で分離されて商品になる、ということです。
 これは何を意味するかというと、トラックの燃料需要の大き
な日本では、軽油や灯油を必要なだけ生産するためには、必要
以上のガソリンが、自動的に生産されてしまうということなの
です。さらに、アメリカなどから製品としてのガソリンの売り
こみもあるため、日本ではガソリンがたくさん余り、軽油は不
足気味になる傾向が、強くあります。

 ここ数年の日本の自動車雑誌は、リッター4キロも走らない
セルシオを「環境に優しい」とわっしょいする反面、リッター 
10キロ走るディーゼルワゴンを、まるで買う奴は国賊だとで
も言うような論調で罵倒していますが、その背後には、このよ
うな現実もあるわけで、石油業界や通産省にしてみれば、二酸
化炭素の排出量を非難するより、窒素酸化物を非難するほうが、
とてもありがたく感じることでしょう。

*現在は、カロリーの高いハイオクタンガソリンというものも
 あります。また、コストを度外視すれば、原油から大量の軽
 油やガソリンを合成する技術もあります。


         【自動車マニア実践講座】

             排気ガス


 パワー競争や安全性など、自動車マニアにおける流行は猫の
目のように変わりますが、現在のブームは、排気ガス問題でし
ょう。日本の排気ガス問題でマスコミの話題になっているのは、
窒素酸化物と炭化水素、一酸化炭素のみっつです。これ以外は
事実上問題にされていませんから、このみっつの廃棄物の発生
についてだけ考えてみましょう。言うまでもなく、自動車マニ
アに必要なレベルでの無責任な趣味のお話ですから、それ以上
のものではありません。

 炭化水素というのは、いわゆる燃え残りです。ロウソクの上
空でもらもらとする煤なんかがそうですが、酸素が不充分だっ
たり炎の温度が低かったり、燃えている途中で吹き飛ばされた
りすると発生します。整備不充分なディーゼルトラックなんか
だと、発進や上り坂の時にもくもくと吐き出す黒いガス、あれ
がその代表例です。鼻毛をまっくろにしたり喘息を引き起こし
たりします。

 一酸化炭素というのは、炭素が中途半端に燃えた、不安定な
物質です。現金つかみ取り大会で、人が多すぎて片手だけでし
か掴めなかったおばさんみたいなもので、気をつけないと、と
なりのぼーっとした人の握っているお金をむしりとっていくか
も知れません。具体的な害としては、人間や動物が吸入すると、
身体の中の酸素の運搬がブロックされて、死にます。

 窒素酸化物は、ほんとなら燃えないはずの窒素が、酸素がい
っぱいあるとても高温の場所に閉じ込められてできた物質で、
これ自体は特に害はないのですが、不安定な物質なので分解し
やすく、分解したときにほっぽりだす酸素が、問題を引き起こ
します。化学や生物学を学んだ人なら誰でも知っている通り、
酸素というのはじつは強い毒性がありますから、危険です。い
わゆる発生期の酸素という状態のものが、光化学スモッグとし
て人類の粘膜細胞を襲います。

 以上のみっつの排気物質を眺めてみると、ちょっと困ったこ
とに気がつきますね。それは、ふたつは酸素の不足と低温で発
生し、ひとつは酸素過剰と高温で発生するということです。酸
素をお金に例えると、小遣いをちびると子供はカツアゲをする
し、たくさんやるとバカボンボンになるようなものです。
 むかしは、炭化水素や一酸化炭素を処理する方法だけが実用
化されていたので、とにかく酸素が余らないようにするか、あ
るいはあまり高温で燃えないようにして燃やし、燃え残りをエ
ンジンの外でもう一度燃やす方法をとっていました。小遣いを
少なめに与えて、カツアゲした相手に弁償するみたいなもんで
す。燃費がわるいか、あるいは排気量のわりにパワーがないか、
どちらにしてもろくでもないエンジンばかりでした。自動車マ
ニアとしての評価では。
 近年は、窒素酸化物を分解する方法も実用化されましたので、
発動機としての理想に近い状態で燃焼させて、エンジンから出
たあとでいろいろと加工できるようになりました。

 さて、これらの有害廃棄物ですが、これらは、大都会の街の
中を走るのと似た状態でクルマを運転させて、その時に出たも
のを測定し、それが規制値をクリアすることが義務付けられて
います。この時の全ての廃棄物から計算して算出されたのが、
10・15モード燃費と言われる数値です。逆に考えると、実
際に走ってみた時に10・15モード燃費よりも悪ければ、確
実に、有害廃棄物の量は、カタログのきれいな排気ガスよりも
たくさん出ているわけですが、理論的であるとえっへんしてい
る人ほど、カタログの数字を錯覚して最敬礼していたりします
ね。思考停止というやつです。
 低いギアで引っ張ったり、ギアチェンジの時に無用な空ふか
しをしたり、とかく運転の好きなドライバーの燃費は、上手な
ドライバーと比べると悪いものですから、排気ガスの綺麗なク
ルマに乗っているからといって、買い換えずに古いクルマを丁
寧な運転で乗っているドライバーを見下したりするのは、みっ
ともないのでやめたほうが良いでしょう。


         【自動車マニア実践講座】

  シャシーレイアウト


 FFとかFR、MR、RRという単語を、どこかで見たこと
があると思います。これらは、エンジンをどこに積んでいるか
とか、どの車輪を駆動して走るかということを表わす略号です。

 FFというのは、車体の前のほうにエンジンを積んで、前の
車輪を駆動して走るレイアウトです。ハンドルを切った方向へ
駆動力が向くので、雪道なんかでは運転しやすいです。また、
機械がごそっと固まっているので、作るときにわりと楽とか、
後ろのボディを好きなように設計して、長いのや短いのを作り
やすいといった特徴があります。
 欠点は、アタマが重たいので、ハンドルが重くなったり、前
のタイヤが早く減ったりしますし、カーブではアタマが外へ滑
ろうとして、曲がりにくくなります。神経質な人だと、ハンド
ルにエンジンの振動がつたわるのを嫌がったりしますね。

 FRは、前にエンジンを積んで、長い棒で後輪へ力を伝えて
駆動するレイアウトです。エンジンを縦に置いて、ギヤボック
スやデフはエンジンルームから後ろになりますから、ボンネッ
トの中はすかすかなので、ハンドルをたくさん切ることが出来
て小回りが効きます。重量のバランスもわりと自由になります
から、大きなエンジンを積む大型車なんかに多く使われます。
 欠点は、後ろまでちからを伝えるシャフトが必要で、重さや
振動、捩れによる違和感、生産時のめんどくささなんかがあり
ます。雪道では、少しスリップするとケツ振りダンスを始める
傾向が強く、日常生活の道具としては、悪条件では多少難があ
りますが、電子制御のブレーキやアクセル等が開発されたので、
安全に関する心配は少なくなりました。

 MRというのは、エンジンを後輪のすぐ前に置くレイアウト
です。重いものを真ん中に固めて置くので、車体の向きを変え
やすくなります。会社のイスに座ってくるくる回って遊ぶとき
に、伸ばした足を折りたたむと回転が加速しますね、あの原理
です。向きを変えるのも、それを止めるのも、少しの力ででき
るので、レーシングカーや、それに憧れる人たちのためのクル
マに採用されています。
 欠点は、狭くなることと、うるさくて熱いことです。後ろの
座席でガソリンを爆発させて鋼鉄の棒をぎゃんぎゃん回してい
るわけですから、当然ですね。速く走る以外はろくなことがな
いわけですから、たいへん潔い、男らしいレイアウトです。

 RRは、後輪の後ろにエンジンを置くレイアウトです。FF
と同じように床を低くできる上に、複雑で高価なジョイントを
使わずにすむため、昔の貧乏自動車に多く使われました。現代
では、バスのほとんどに採用されています。コストが安いのと
駆動輪にしっかりと重量がかかるのがメリットです。
 欠点は、後ろが重いので、カーブでおしりが外へ流れて、限
界を超えたら吹っ飛んでいくことです。下り坂をリアカー引い
て駆け下りたら、カーブで自分はくるっと回れても、宙を舞う
リアカーに引っ張られて空中散歩が楽しめるわけです。少し怖
いですね。

 このほか、四つの車輪の間隔の違いによる特性というのもあ
ります。前後に広がるのをロングホイルベースといって、まっ
すぐ走りやすくなります。前後に詰まったのはショートホイル
ベースといって、曲がりやすくなります。左右に広いのはワイ
ドトレッドといって、相対的にショートホイルベースと同じな
ので、特性も同じですし、左右に狭いナロートレッドはロング
ホイールベースと同じになります。
 また、下から覗いて、タイヤの外側にはみでた部分、オーバ
ーハングと呼ぶのですが、これが大きければ大きいほど、運動
性能は悪くなる傾向があります。百貫でぶの足が24.5セン
チだったら、28センチの足の同じでぶより転びやすいわけで
すね。


         【自動車マニア実践講座】

            贔屓のメーカー


 さて、今まで、最低限の知識をおさらいしてきたわけですが、
自動車マニアとして名乗りをあげるには、知識だけでは不充分
ですね。マニアというのは偏執狂という意味ですから、いろい
ろなこだわりというか執着がなくてはなりません。僕は自動車
マニアだけど、メーカーはどこのでもいい、クルマは走りゃい
いんだ、では、社会人としては大人ですが、マニアじゃないわ
けです。

 自動車雑誌やパソコン通信の掲示板なんかをみますと、どこ
そこのメーカーは実にくだらん、とか、ああ、あのメーカーね、
うん、普通の人にはあれでいいかもね、なんて調子の、おまえ
のかーちゃんでーべーそにお化粧した程度の微笑ましい議論が
花盛りです。 色々とそれらしい理屈が貼りつけてありますが、
なに、ようするに、好きなメーカーを褒めて嫌いなメーカーを
けなすだけの口プロレスを楽しんでいるわけで、マニアになっ
たら、これくらいのことはできなきゃあ、寂しいというもんで
す。

 で、贔屓にするメーカーをつくりましょう。基本的にどこで
もいいのですが、ペガソだNSUだイソだライレーだといった
メーカーを選んでも、今では自動車評論家でさえ、ピンとこな
い時代になってしまいました。マニア初心者のあなたとしては、
綺麗な爪をしたマニアでも知っているようなポピュラーなメー
カーの中から、自分が好きなとこを選んでファンになることが
簡単です。

 まず、有名なところでポルシェです。このメーカーについて
のウンチクは本屋さんの棚に佃煮にするほど並んでいますので、
二千円ほど握って買いに行けば誰でも学べますね。読解に必要
な知識はすでに学んでいますので、安心して買えます。ただ、
外国人の本を和訳したものは、最初は避けましょう。何故なら、
クルマの知識の無い翻訳家が訳したものが混じっていて、とて
も劣悪な場合があるからです。アクスルとシャフトとロッドと
スティックの区別もつかない人がプロとしてやっている世界な
もんで、初心者には適切ではありません。
 ポルシェと並ぶものにフェラーリがあります。秀才に対する
天才、頭脳に対するセンス、そういった感じの二大横綱ですが、
時代の流れとともに、両者の生産車の間には、昔ほどの極端な
コンセプトの違いはなくなってきました。洗練されると角がと
れてくるというわけでしょうか。
 長い不遇の時代を経て最近人気になったところでは、アルフ
ァロメオがあります。絶対的な性能よりも、感性に訴えかける
高性能、といったところでしょうか。けっこうヘンなかっこし
てますけど、褒めて恥かくようなことにはなりません。デザイ
ンを学校できちんと学んだ人以外は、コンプレックスのために
批判できないからです。
 似たような系列で、フィアットやランチャもあります。フィ
アットはビンボ人向け、ランチャは金持ち向け、そんなイメー
ジが強いですが、傾向としては同じ趣味の路線ですね。

 少し違う方向に、イギリスのメーカーがあります。ジャガー
とかローバーですね。最高速とか加速とかじゃなくて、生活の
センスに密着した道具、高級家具を贔屓にするみたいな感じの
趣味性ですね。この手のメーカーを贔屓にするなら、服装とか
生活習慣なんかも統一しないと、仲間はずれにされそうです。

 選んじゃいけないのは、トヨタです。口プロレスでは勝てな
いからです。なぜなら、このメーカーは大人だけを相手に商売
しているからです。子供は移り気なのでころころ変わるし、客
としてはあまりうまみははないわけで、大資本に物を言わせて
いちばんおいしい客をごっそり囲い込んでいるのです。ですか
ら、その商品は、ごはんとおしんこと味噌汁と焼き魚みたいな、
毎日食べても飽きない、ダサくてつまんないクルマばかりに見
えてしまうわけですね。自動車マニアとしてはやはり、フォア
グラやトリュフが無理でも、ロブスターのアメリケーヌソース
や北京ダッグ、落ちてもハンバーグやペペロンティーノくらい
を選びたいと思うのが人情ですね。


         【自動車マニア実践講座】

            マニアの議論


 マニアの熱烈な議論、傍から見た時の評価は置いとくとして、
当事者たちは真剣そのものですね。熱意ばかりが空回りして孤
立してしまう人、ほにゃららと何を言いたいのかわからない人、
議論というよりは、自分の記憶検索にヒットした知識をただ垂
れ流すだけの人、やたらぷりぷり怒るばかりでうざったい人な
ど、よくもまあ、一文の金にもならないことにここまで熱中で
きるものだと感心するほどに、人生賭けて議論しているような
すぅぱぁマニアがいらっしゃいます。

 議論に出てくる意見には、表と裏があります。たとえば、ど
んな雑誌にもたいてい出ているポピュラーな意見、ATの運転
はつまらないとかABSはスポーツ走行の邪魔である、日本の
クルマは操縦性がダルでつまらない、等などのべりぃすぺしゃ
るわんぱたぁんには、その背後に、俺様はMTを駆使した華麗
な走りができる「違いのわかる男」じゃ、とか、ポンピングブ
レーキもろくに出来ないお子様ドライバーと違って、俺様はA
BSなんて邪魔なだけさっ、とか、俺様はかっこいい欧米人と
おんなじくらいにかっこいいセンスだから、かっこいい欧州車
みたいにきびきびしたかっこいいハンドリングのかっこいいク
ルマの方が、かっこよく走れて好きなんだ、かっこいいだろ、
とか、そういう意識が、ちょっと吸い取ればマニアイドムが出
現するほどに、潜在意識の底でうずまいているわけですね。
 何を言いたいかというと、相手の論旨を正確に理解して論理
的に応対するといった、言うなればビジネスライクな大人の対
話は、通用しないケースが多いということです。なんというか、
嫌われている女性には、行き先や日時や天気などの不都合な理
由をどんなにクリアしてもデートに応じてもらえないようなも
ので、「あんたは嫌い」という本音が解消されない限りは、対
話が実を結ぶ可能性は少ないわけですね。

 おこちゃま論客に多い稚拙な手法だと、ごく普通のクルマを
口汚くこき下ろすというのがあります。相対的に自分のセンス
や知識を高く見せたいというのが本心なので、本人が満足する
対話は、「おお、あなたはなんと目が肥えているのでせう」と
いう、あたまなぜなぜ以外にはありませんから、そのクルマの
長所を並べて意見を返してもまったく無意味です。
 いたるところでこんなのが大量に見られるのは、とても簡単
で知能も才能もいらない方法だからです。馬鹿でもできるとい
う意味ですが、やっているのが馬鹿であると言っているわけで
はありませんよ。本心はともかくとして。で、得るものが無い
のは別によいのですが、退屈で不快なだけなので、からかわれ
るか無視されるのが普通ですから、真似をする価値は皆無です。

 対照的に、誉めるという手法もあります。どうということの
ないクルマを、見落としがちな部分を見つけて誉めるというの
は、うまくいくと玄人っぽくてかっこいいですが、ある程度の
知識がないと難しいですね。比較的簡単なのは、かっこよくな
いクルマを誉めることです。かっこよくないクルマは注目度が
低いので、実際に触れて知った長所を誉めれば、なんか、渋い
大人の意見みたいに思ってもらえることが多いですね。あのク
ルマは格好は悪いけど、基本をしっかりと押さえてあって、実
用に使うにはかなりお薦めかもしれないね、でも、形がもう少
しなんとかなるとよかったんだけどねぇ、なんて調子ですね。

 このような手法は、人間関係にもよく応用されます。ある程
度評価されている人物のことを、「あいつはゴミみたいな奴だ」
と罵倒するのと、「彼は、いろいろと欠点はあるけれども、な
かなか良くやっているね」と誉めるのとでは、前者が尊敬を得
るどころか軽蔑されやすいのと対照的に、後者は、なにかとて
も大人物のようなイメージを形成しやすいわけです。もっとも、
あまりに身の程知らずな場合、たとえば「小泉クンは、政治家
としては、まあまあだね」なんてことをそこいらのオッサンが
言うと、トンマなオヤジで終わってしまいますね。

 どうせ、マニアどうしの会話が何かに反映される、とか、何
か素晴らしい思想を生み出す、なんてことは期待できないわけ
ですから、楽しくやるのがマニアの王道というものだと思いま
す。無視されるよりは、トンマなオヤジでいるほうが、楽しい
だけマシかも知れません。





続き
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